首都圏をぐるりと囲むように走る首都圏中央連絡自動車道(圏央道)は、都心を通らずに各高速道路を行き来できる非常に便利なバイパス路線です。この圏央道沿線のサービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)は、周辺の豊かな農業地帯や特産品を活かした、魅力的なグルメスポットとして知られています。

「美味しそうなSAのご飯を食べたいけれど、わざわざ高速料金を払って乗るのはちょっと…」と思っている方に朗報です。実は、圏央道の多くのSA・PAには「ぷらっとパーク」と呼ばれる、一般道(下道)から徒歩で直接施設内に入れる出入り口が設けられているのです。

本記事では、高速道路に乗らなくても絶品グルメやご当地お土産が楽しめる、地元民が普段使いのランチスポットとして密かに通う、圏央道の超穴場な「ぷらっとパーク併設SA・PA」をご紹介します。

高速に乗らずにSA・PAを楽しめる「ぷらっとパーク」とは?

「ぷらっとパーク」という言葉を初めて耳にする方も多いかもしれません。これは、NEXCO中日本が展開している、一般道からSA・PAの商業施設(レストランや売店など)を利用できるように整備された専用の出入り口や駐車場の名称です(※NEXCO東日本では「ウォークインゲート」などと呼ばれます)。

なぜこのような施設が増えているのか、そして一般利用者にとってどのようなメリットがあるのかを解説します。

地域と高速道路をつなぐ「開かれた商業施設」

かつてのSA・PAは、高速道路を利用するドライバーだけが立ち寄る「閉ざされた空間」でした。しかし近年は、施設内のレストランやご当地グルメのクオリティが飛躍的に向上し、「あそこのSAのメロンパンが食べたい」「あの定食をランチで食べたい」といった地元住民からの声が高まりました。

これに応える形で、施設を地域社会に開放し、一般道側に数台〜数十台停められる無料の専用駐車場と、歩行者用のゲート(ぷらっとパーク)を設置するSA・PAが急増しています。これにより、SA・PAは単なる休憩所から、近隣住民が日常的に買い物や食事に訪れる「地域密着型の巨大な商業施設」へと進化を遂げたのです。【関越道】一般道から歩いて入れるSA・PA(ウォークインゲート)一覧!の記事でも、別路線の類似施設について詳しく紹介しています。

レジャー感覚で「プチ非日常」のランチを楽しむ

ぷらっとパークを利用する最大のメリットは、なんといっても「近所で手軽に旅行気分(非日常感)を味わえる」という点です。休日のランチタイムに、いつものファミレスやチェーン店ではなく、ぷらっとパークを通ってSAのフードコートに行くだけで、ワクワクするようなレジャー感覚を楽しむことができます。

旅行客のお土産選びの熱気や、全国各地から集まった車のナンバープレートを眺めながら、ご当地の美味しい定食やラーメンを食べる。そして食後には、普段のスーパーでは見かけないような珍しいご当地ソフトクリームを味わう。高速道路の料金を1円も払わずに、これほど充実した休日ランチの時間を過ごせる場所は他にありません。

地元民が通う!圏央道のおすすめぷらっとパーク厳選

圏央道には、食事のレベルが高く、ぷらっとパーク用の駐車場もしっかりと整備されている魅力的な施設が数多く存在します。

その中でも、特に地元のリピーターが多く、ランチ目的で訪れる価値が十分にある、おすすめのSA・PAをピックアップしました。

厚木PA(内回り・外回り):B級グルメの祭典「B-1グランプリ」メニュー

神奈川県にある厚木PAは、圏央道の中でも特にフードコートのコンセプトが面白いことで有名です。なんと、全国のご当地B級グルメの祭典である「B-1グランプリ」と連携しており、過去に入賞した全国各地の超有名ご当地グルメを常時提供しているのです。

「勝浦タンタンメン」や「横手やきそば」、「十和田バラ焼き」など、本来であればその土地まで行かなければ食べられない本物の味が、厚木のPAで手軽に楽しむことができます。一般道側には数台停められる駐車場が用意されており、お昼時になると、これらのB級グルメを目当てに地元の会社員や家族連れが続々とぷらっとパークから入場してきます。まるで毎日が食のイベント会場のような、活気あふれる楽しいパーキングエリアです。

狭山PA(内回り):武蔵野うどんと狭山茶の極上ランチ

埼玉県にある狭山PA(内回り)は、地元埼玉の特産品を全力でプッシュしている、非常に温かみのあるパーキングエリアです。ここのランチで絶対に外せないのが、地元名物の「武蔵野うどん」です。

武蔵野うどんは、一般的なうどんよりも麺が極太で、ゴツゴツとした強いコシがあるのが特徴です。熱々の豚肉とネギがたっぷり入ったつけ汁に、冷たく締めた極太麺をつけて食べる「肉汁うどん」は、一度食べたら病みつきになるほどの美味しさです。食後には、PA内で淹れたての「狭山茶」や、濃厚な「狭山抹茶ソフトクリーム」を楽しむことができます。埼玉の美味しいものをギュッと凝縮したような、地元愛にあふれる最高のランチスポットです。

ぷらっとパークを120%楽しむための裏ワザ

知っているとお得なぷらっとパークですが、施設の構造上、利用する際にはちょっとしたコツや事前のリサーチが必要になります。

ぷらっとパークの達人たちが実践している、より快適で確実な利用法(裏ワザ)をご紹介します。

一般道側の駐車場の「正確な場所」を事前にGoogleマップで確認

ぷらっとパークを利用する際の最大のハードルは、「一般道側の駐車場の入り口が非常にわかりにくい」という点です。高速道路の入り口とは全く別の、細い農道や住宅街の裏道を抜けた先にひっそりと入り口があるケースがほとんどです。

カーナビに「◯◯SA」と入力すると、高速道路に乗るルートを案内されてしまうため、事前に必ずGoogleマップなどの地図アプリで「◯◯SA ぷらっとパーク」あるいは「一般道側駐車場」と検索し、正確な経路をストリートビューで確認しておくことが必須です。また、駐車できる台数が数台〜十数台と少ない場合が多いため、土日のランチのピークタイム(12時〜13時)は避け、少し時間をずらして訪問するのが確実に入店する裏ワザです。

旅行気分を盛り上げる「お土産ハンティング」

ランチを食べ終わった後、ただ帰るだけではもったいありません。せっかくSA・PAに入ったのですから、売店エリアで「お土産ハンティング」を楽しみましょう。圏央道は各方面の高速道路と接続しているため、施設によっては関東一円の様々なお土産が入り乱れて販売されています。

例えば、神奈川県のPAにいながら、山梨の「信玄餅」や、静岡の「うなぎパイ」などを発見することもあります。これらのお土産を買って帰り、午後のお茶の時間に家族で食べれば、「近所でランチをしただけ」の日曜日が、まるで遠くへ旅行に行ってきたかのような充実した一日に変わります。

ぷらっとパーク利用時の注意点とマナー

地元民にとって非常にありがたいぷらっとパークですが、あくまで「高速道路の休憩施設を特別に一般開放している」という前提を忘れてはいけません。

トラブルなく気持ちよく施設を利用するために、絶対に守るべきルールとマナーをお伝えします。

一般道側の駐車場に停めて、高速道路から出発してはいけない

ぷらっとパークの仕組みで最も勘違いしやすいのが、車の乗り入れに関するルールです。一般道側の専用駐車場に車を停め、歩いて施設に入って食事をすることは可能ですが、「一般道側の駐車場に停めた車で、そのまま高速道路(本線)に乗り入れることは絶対に不可能」です。また、その逆(高速道路側から入って、一般道へ車で出る)もできません。

あくまで「人間だけが徒歩で出入りできる」のがぷらっとパーク(ウォークインゲート)のルールです。もし友人とSAで待ち合わせをする場合などは、「高速に乗って来るのか、下道から来るのか」を事前にしっかりと確認しておかないと、食事は一緒にできても、その後同じ車に乗って出発することができなくなるため注意が必要です。

高速利用者の休憩を妨げない配慮を

土日や連休の昼時など、SA・PA内が非常に混雑している時は、施設本来の目的である「長距離ドライブ中の高速利用者の休憩」を優先させる配慮が必要です。

フードコートの席が満席の時に、食事が終わっているのに地元トークで何時間も長居をしたり、少ないトイレの個室を長時間占有したりする行為は控えましょう。特に大型連休などで高速道路が大渋滞しているのがわかっている日は、あえてぷらっとパークの利用を避けて別の日にお預けにするなど、譲り合いの精神を持つことが大切です。

ランチの後に立ち寄りたい圏央道周辺スポット

圏央道周辺には、豊かな自然や歴史ある観光スポットが多数点在しています。ぷらっとパークで美味しいランチを楽しんだ後は、周辺の一般道をドライブしながら、ちょっとした観光を楽しむのもおすすめです。

SA・PAからアクセスしやすい、おすすめの立ち寄りスポットのアイデアをご紹介します。

近隣の「農産物直売所」や「道の駅」をハシゴする

圏央道沿線(特に埼玉県や茨城県エリア)は、農業が非常に盛んな地域です。SAのぷらっとパークでランチを食べた後は、車で少し走って周辺の「道の駅」や「農産物直売所」をハシゴしてみましょう。

午後になっても、地元の新鮮な野菜や果物、手作りのパンやお惣菜などがたくさん並んでいます。高速を降りずに新鮮野菜を爆買い!地元農家の直売所があるSA・PAの記事で紹介したSA内の直売所も魅力的ですが、一般道の巨大な道の駅を巡るのも、このエリアならではのドライブの楽しみ方です。夕飯の新鮮な食材を安く調達して帰路につくことができます。

歴史ある神社仏閣や広大な公園で腹ごなし

厚木PAの周辺であれば、少し足を伸ばして「大山阿夫利神社」周辺の散策を楽しんだり、狭山PAの周辺であれば、「小江戸・川越」のレトロな街並みを歩いたりするのも素晴らしい休日の過ごし方です。

また、圏央道沿線には広大な敷地を持つ国営公園や県立公園も多く、ランチでカロリーを摂取した後の腹ごなしのウォーキングに最適です。ぷらっとパークでのランチを「メインイベント」にするのではなく、周辺観光と組み合わせた「ハーフデイ・トリップ(半日旅行)」のスケジュールを組むことで、休日の満足度はさらに高まります。

まとめ:ぷらっとパークは地元民の最強ランチスポット

圏央道のSA・PAに併設された「ぷらっとパーク(ウォークインゲート)」は、高速道路の料金を払うことなく、ご当地の絶品グルメや旅行気分を味わえる、地元民にとって最強の穴場ランチスポットです。

厚木PAでB級グルメの祭典を楽しみ、狭山PAでコシの強い武蔵野うどんをすする。いつものファミレスに飽きてしまった週末は、少しだけ足を伸ばして、一般道からこっそりとSAの裏口に潜入してみてください。そこには、普段の生活圏では味わえない、活気と美味しい匂いに満ちた「非日常の空間」が広がっています。

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